フィボナッチドラゴン@art space kimura

京橋のart space kimura*1で行われている、建築家・日詰昭男氏*2のインスタレーション「フィボナッチ・ドラゴン」*3の展示会に足を運んだ。無限を手中に収める感覚…。

日詰昭男氏という人物を知ったのは、先日の杉浦康平氏の講演会の会場で購入した『アジアの形を読む』というエッセイ・論文集に、彼の論文が掲載されていたからだ。彼は『星籠』と題されたこの論文で、黄金比に着目し、ペンローズ・タイルを平面や立体、あるいは音楽にまで応用するという非常に斬新な方法論を展開している。この論文を一読した私は感銘を受け、この人物のことをネットで調べているうちに、ちょうどよいタイミングでインスタレーションの展示が行われることを知り、足を運んだのである。星籠とは、彼が考案した籠の編み方である。

アジアの形を読む (形の文化誌)

アジアの形を読む (形の文化誌)

ブラックライトで怪しく光る会場内には、アクリル板をフィボナッチ係数に基づいてらせん状にくみ上げた塔「フィボナッチタワー」が輝いており、壁面にはフィボナッチ係数によって描かれた無限の螺旋=フィボナッチドラゴンのパネルがかけてあり、天井からはスターケージ(星籠)#5が吊り下げてある。すべてが黄金比で構成されたインスタレーションである。これらのフィボナッチドラゴンを見つめていると、自分が無限の中に入り込むと同時に、無限が自分の中に入り込むような感覚がして、妙な安堵感がある。それに眺めているうちにさまざまな螺旋模様が網膜に焼き付けられて、飽きることがない。まったく不思議な図形である。

会場では作品が販売されていたが、とても手を出せる値段ではないし、置く場所がないのであきらめた。しかしミニチュア版のパズルが販売されていたので、そちらを購入した。フィボナッチ・タワー*4は簡単に組み立てることができた。塔の内部にLEDを入れたらとても美しいオブジェになった。starcage#5*5の組み立ては、想像以上に難易度が高い。完成品が倍額以上で売られていたのが疑問だったが、意味が良くわかった。とても素人が組み立てられるような代物ではないようだ。

日詰昭男氏という人物はあまり知られていないようだが、末恐ろしいことをやっている人物である。なぜそれほど認知度が高くないのかは疑問である。今後の活動に注目していきたい人物の一人である。

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Matsukin の紹介

向精神電子音楽研究家。
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