ベートーヴェンの興奮が冷めやらぬうちに、石川町のCRIBで開催されたKURIPONISに遊びに行ってきた。CRIBのHPをご覧いただくとわかるのだが、基本的ヒップホップの箱なようです。ロフトがあって、なかなか居心地がよい。横浜のクラブシーンというと、横浜レゲエ祭に代表されるように、「レゲエ・ヒップホップ」を連想される方が多いと思います。実際、横浜で行われているイベントの多くはレゲエ・ヒップホップのパーティです。しかし、近年エレクトロニックミュージックのシーンが生まれ、着実に広がりを見せていることは間違いない。徐々に根付いていくシーンを内部から体感できることは、大きな喜びでもあります。
会場に着いて早々脳天にパイルドライバーをぶちかましてくれたのは狂った科学者ことKOSHI。「自らのスタイルを破壊すること自体が、自らのスタイルである!」といわんばかりのアグレッシヴなプレイに感動しました。テクノを軸としながらも、パンクやインダストリアルなどジャンルレスに展開。それでいて紛れもなく「KOSHIの音だ!」と納得できる、統一感のあるプレイに脱帽。
次はKOSHIの高校の先輩というせいじゅさん、この人がまたヤバイ。これでもかといわんばかりのストイックなミニマルテクノで狂喜乱舞させていただきました!「こんなに頭振ったのいつぶりだろう」っていうくらい頭振らせていただきました*1。是非、靜村に来ていただきたい人物です。要チェック。
ハードトランスのDJ*2を挟み、Fizzyの登場。このパーティには、狂った科学者やHB課長のDJ、STARSOLIDIERのライブを当然楽しみにして行ったわけですが、何よりも約一年ぶりにFizzyのライブを体感できるチャンスと思って参加しました。彼はその期待に答えてくれるどころか、想像を大きく上回るパフォーマンスで、いい意味で期待を裏切ってくれました。彼の音がかかるなり、冷却していたフロアが一気に加熱!約一年の間に、彼の楽曲はますます洗練されていた。まず衝撃的だったのがブリブリなベースライン。これぞサイケデリックトランスの醍醐味!そして色彩豊かに展開するギミカルなウワモノ。万華鏡のように次々と現れ、消えていく音の渦。一曲ずつのクオリティの高さは疑いようがないが、さらにそれらを統合するライブパフォーマンスとしての完成度は、サイケデリックトランスのツボを隅々まで知り尽くした、DJ Akiとしてのノウハウがあってこそであろう。ぜひアルバムをリリースしていただきたい。Fizzyはサイケデリックトランスの一つの真骨頂を極めているのではないだろうか。
名残惜しくもFizzyのライブが終了し、いよいよSTARSOLIDIERの登場。彼は毎回別の宇宙へ連れて行ってくれる。二度と同じ瞬間はない。取り返しのつかない「今」という時間の重要性について教えてくれるのだ。一見カオスともいえるビートとシーケンスだが、まったくのランダムではなく、一定の法則*3に基づいており、一貫したメッセージ性が込められている。それは言語化不能なエモーションであり、彼の音楽は聴衆にそれを的確に伝達する力を持っている。彼の音を聞いたことのある人は以外と思われるかも知れないが、いつも私が彼の音楽に感じるのは、「絶対的な静寂」である。凄まじい爆音によってあらゆる事を反射的に「言語化・概念化」してしまう思考が破壊され、頭の中が真っ白になる。そこには、マンガ『ドラゴンボール』に登場する「精神と時の部屋」のような、真っ白で、絶対的な静寂に支配された世界が広がるのである。
なぜか部長から係長に降格したHBのDJ。STARSOLIDIERに殴打された脳みそを休めようとイスに座った瞬間に、彼が初っぱなにかけた曲がモロにツボってしまい、休む暇なくフロアに直行!そのまままんまと踊らされてしまいました。しかし気づくと終電の時刻が迫っており、惜しまれながらも途中で退出させていただきました。
1,000円でこれだけ満足したパーティは最近ないです。むしろ金額の問題ではなく、都内のパーティでこれほど満足したパーティは数えるほどしかありません。横浜に芽生えてきた好循環があってこそ、これだけ満足ができるのだと思います。パーティは人間が作るものであるから、そこに居合わせる人間のモチベーションですべてが決まる。
先日のSUNDAY ELEKTORONIKAに参加させていただいた時に感じ、主催者の川村氏とお話ししたことですが、東京とは違ったベクトル・グルーヴで動いていくシーンを作り出すことは、横浜で生活する我々にとって義務でもあり、必然であると感じます。
関連リンク
*1:案の定、首が筋肉痛に…
*2:個人的にハードトランスは、ピッチの不安定なシンセが必要以上にやかましいし、一般的に陳腐なコード進行やメロディラインが多いのであまり好きではない。フロアも些か冷めていたようだ
*3:「STARSOLIDERイズム」とでも言おうか




