Ellen Allien – Soolの感想「禅問答のようなアルバム。」

最近は、エレン様の最新作「Sool」をすり切れるほど聞いています。

20回くらい聞いて、やっと、入り口がわかってきたというか、聞き方がわかってきたのでメモってみます。

最初聞いたときは、正直、物足りなさを感じていました。「え、これだけ?」みたいな。ビートも不規則で前衛的だなー、と。

近年の作品がフロア向きでわかりやすいテクノだったのに対し、今作は初期のエレクトロニカっぽい作品に比較的近いかんじかなーというのが第一印象。

だがしかし!きけばきくほど、この作品は、スノッブで小難しい音楽ではないということが明らかになっていった!

どういうことかというと、聞き込むうちにそれまで聞こえなかった音が聞こえるようになり、隠されたグルーヴが明らかになっていったんです。

一見無機質な音の「ON/OFF」が、実はものすごく有機的に関係し合っていて、ひとつのグルーヴを作り出しているという・・・。いままでにない音楽的体験。ONとOFFの比重で言うと、ON<OFFってかんじ。

この作品を聞くときは、「鳴っている音」だけでなく、「鳴っていない音」に耳を澄ませてください。その部分は想像力で補完され、自分だけのリズムが鳴り始めるはずです。「鳴っている音」は、あくまでそれをサポートする存在なんだなあ。そうすると、もう自由自在ですわ。

「テクノとは、本来あるはずの音がなかったり、極度に単純化・デフォルメされている音楽のことである。」それを想像力で補うのがテクノの魅力なんだなあ。としみじみと痛感させられました。

子供の頃は少なからず、こういう音楽の聞き方、ものの見方をしていたんじゃないかなーと、今になると思います。

電車が走る音に脳内でいろんな音を足したり、カーテンのしわをなにかに見立てて遊んだり。植物や無機物を擬人化したり。

だから、この作品は音数の多い「すべてお膳立てされた音楽」に慣れてしまっている人が聞いても、「なんじゃこりゃ?」となると思います。

だが、ききこんでいくと、なんともいえない想像力の広がりと、ノスタルジックな歓喜を感じられるはずなんだなあ。

禅問答は、言葉の表層だけをとらえていたのではちんぷんかんぷん。まさに「Sool」はそんなアルバムなんだなーと感じました。

iTSで試聴できますので、ぜひお試しください。Ellen Allien - Sool

にしても「Frieda」は名曲だ・・・。歌詞も素敵。

参考リンク

Related posts

ɂقuO yuO yp[eB[ECxgEtFX ɂقuO ʐ^uO ɂقuO lbguO lbgT[rX

Matsukin の紹介

向精神電子音楽研究家。
-->
カテゴリー: Music   タグ: , , , , , ,   この投稿のパーマリンク