PCでDJやるならロスレスにすればいいじゃない

極幻

久しぶりの更新となります。PCでDJやる際にMP3にするかWAVにするか悩むなら、ロスレスにするといいですね。というだけの内容なので、わかっている方はスルーして下さい。写真は内容とあんまり関係ないけど、PCでDJしているところっていうことで。

WAV vs MP3 音質編

音質面から検討したWAV vs MP3論争は、Q’HEY氏の検証で一応の決着を見たかと思います。クラブでの検証でしたが、野外のシステムでも同様のことがいえるかと思います。
検証:WAVと320kbps mp3はクラブで聴き分けられるのか!?:FLYING COW – DJ Q’HEY blog:So-netブログ

結論から言うと、Beatportでも採用されている業界標準的なMP3フォーマット(LAME 320bps)とCDと同等のWAVフォーマット(16bit 44.1KHz)では、よほど耳のいい人間でない限り、聴覚的な違いを見いだすのは難しい。ということです。

上記の検証ではデータをCDに焼いてCDJ-2000で再生していますが、PCの場合、フォーマットうんぬん以前にオーディオインターフェイスやケーブルに拘った方がよい音質を得られるということです。

極端な例を挙げると、「1万円以下のオーディオインターフェイス+ハードオフで買ってきた100円のケーブルでWAVを再生」よりも、「高性能なD/Aコンバータを搭載したオーディオインターフェイス+OYAIDEのケーブルでMP3を再生」のほうがよっぽど音がいいということです。

「そもそも、WAVとMP3の違いは?」と聞かれることがあります。画像編集に多少明るそうな人には、「ビットマップとJPEGの違いです」といえばすぐわかっていただけるのですが、それでわからない人には以下のペットボトルの喩えを使うようにしています。

ここになんの変哲もないペットボトルが二本あります。ペットボトルに見えないなどの異論は認めない。見た目はまったく同じですが、左のペットボトルは空っぽ、右のペットボトルには水が満タンに入っています。この喩えでは、左がMP3、右がWAVとなります。つまり見た目(聴覚的)には同じなのですが、手に持ってみると重さ(データサイズ)が全然違う。空のペットボトルは丸めて小さくすることもでき、一度にたくさん持ち歩ける。いっぽう、水の入ったペットボトルはかさばるし重い。この喩えを使えば、WAVとMP3の違いをざっくりと理解していただけると思います。細かい違いを言い出すと時間がかかるので。

ということで、音質の話はここまでにします。ここまではどちらかというと「聴く側」のお話しでしたが、「かける側」のお話しに移りたいと思います。

WAV vs MP3 ファイル管理編

WAVでDJしている人は、音に拘ってるな〜という風(硬派)に見られがちで、MP3でDJしている人は楽しようとしている風(軟派)に見られがちです。実際WAVでDJしている人はWAVはMP3よりも音がよいと頑なに信じており、以下に紹介するMP3のメリットを捨ててでもWAVを使うという姿勢が感じられます。WAV DJがMP3を使わない理由はただ一つ。音質なのです。たぶん。

一方、MP3でDJをしている人間がWAVを使わない理由は多数あると思います。一番大きな理由に、「ファイル管理のしやすさ」が挙げられると思います。MP3は音の情報以外にID3タグというものが整備されており、ファイル自体に曲名やアーティスト名などの情報や、アートワークを埋め込むことができ、iTunesやTraktorでデータベース化すれば、かけたい曲を検索機能で一発呼び出しできます。

一方、WAVフォーマットは、純粋に音の情報そのものしか格納することができません。曲名とアーティスト名をファイル名に入れるくらいの最低限の管理しかできません。iTunesやTraktorなどでもデータベース化できますが、あくまでデータベースは元ファイルと別のところに作られるので、万が一データベースが壊れたときは、個々のファイル情報を元にデータベースを復元することができません。

先ほどのペットボトルの喩えに戻ると、上図のように、WAVはラベルを付けることができないが、MP3はラベルを付けて管理することができるっていう感じ。

ここが、MP3 DJがWAVを使わない理由の一つではないかと思います。あとは、ファイルサイズがデカイとか、Beatportだと1ドル高いとか、細かい理由はいくらでもあると思います。ストレージが大容量化&低価格化した昨今ではファイルサイズはあまり気にならなくなりましたが。

本題・ロスレスを使おう

やっと本題に入ります。MP3のファイル管理のしやすさと、WAVと同等の音質を保ってくれるのがロスレスフォーマットです。目新しいフォーマットというわけではないのですが、周りに使っている人が全然いないので、このフォーマットの素晴らしさをもっと知っていただきたいという思いで、このエントリを作成しました。私は、CD、Beatportで買ったWAV、Soundcloudで送ってもらったWAVなど、すべてロスレスにエンコードして保管・視聴しています。「WAV vs MP3論争」を長年スルーしてきた理由がこれ。

ロスレスの詳しい特徴はWikiにてご確認下さい。
可逆圧縮 – Wikipedia

WAV, MP3, Losslessの違いをざっくりと表にしてみました。

ファイルサイズタグ付け圧縮
WAV基準不可非圧縮
MP3 320bpsWAVの1/4以下不可逆圧縮
Apple Lossless楽曲の内容による。WAVの約半分可逆圧縮

簡単に言うと、WAVの音質を維持しつつ、MP3みたいにファイル管理でき、なおかつファイルサイズもMP3ほどではないけどWAVより小さくできるお得なフォーマット。前述のペットボトルの喩えでいうと、MP3ほど小さく丸められないけど、水の入った状態に戻すことができるフォーマットとでもいえるでしょうか。可逆圧縮というのは、WAVに戻そうと思えば戻せるということ。

ロスレスの形式はFLACとかApple Losslessとかいろいろあります。私が使っているApple LosslessはM4Aファイルに格納されるので、これを読み込めるソフト(Ableton LiveやNI Traktorシリーズ)であればなんの問題もなく利用可能。勿論、iTunesからiPod / iPhoneに転送して視聴可能。なんでこんなに便利なのにいまいち普及しないのか謎。聴く側にもかける側にも優しいフォーマットなのに。MP3などという前時代的なフォーマットを使っているならはやく移行しよう。Apple Losslessに移行して何年も経つが、未だにデメリットを感じたことがない。

※当然ですが、MP3をロスレスにエンコードし直しても音質が改善されることはありません。最も有名な圧縮フォーマットとしてMP3を挙げましたが、不可逆圧縮という意味でWMAやAACも同質とお考え下さい。

おまけ・ロスレスの作り方

・CDからエンコードする iTunes編

1. iTunesの設定>一般>読み込み設定>Apple ロスレス・エンコーダ を選択
2. CDを読み込む
以上。読み込まれたファイルはiTunesライブラリに自動的に追加されます。

・WAVからエンコードする XLD編

1. 下記サイトからXLDをダウンロード
X Lossless Decoder: Lossless audio decoder for Mac OS X
2. XLDを起動>環境設定(⌘,)>出力フォーマット>Apple Lossless を選択
3. WAVファイルをXLDのアイコンにドロップ
以上。できあがったM4AファイルをiTunesにドロップするとライブラリに追加できます。
XLDを使えばM4AからWAVに戻すことができますので、元のWAVファイルは削除しても心配ありません。

XLDはMac用のソフトですが、Windows向けにも似たようなソフトがあると思います。XLDはシンプルで使いやすく大変気に入っています。LAME MP3も作れるよ。

もしよろしければ最後にアンケートにお答え下さい。

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